Sの記録のポイント

S=会話をそのまま書く、と覚えている方が多いと思います。
しかし、本当に「そのまま」書いてしまうと、記録としてかえって伝わりにくくなることがあります。
次のような患者さんとの会話を、薬歴にまとめることを考えてみます。

薬「今日は薬が1種類減ってますね。」

患「あぁ、あの緑色の薬は飲みにくいから、もう飲みたくない、って言ったんですよ。」

薬「ガスターDですよね?飲みにくいというのは、どうしてですか?」

患「味が苦手なんですよ。ホントは飲んでると、胃の調子がいいから続けたいんですけど。」

薬「口腔内崩壊錠の味が苦手なんですね。では、口ので溶けない錠剤でご用意することもできますが、先生に確認してみますか?」

患「味がしない錠剤があるなら続けたいですね。胃の調子を気にしながら食事をするのはつらいです。おいしい食事をするのが趣味なんですよ。来週、北海道へ旅行に行くんです。友達と札幌のスープカレー屋さんめぐりをする計画を立ててるんですよ。」

この会話を「そのまま」Sに記録すると次のようになります。

緑色の薬は飲みにくいから、もう飲みたくないと先生に伝えた。味が苦手。
本当は薬を飲んでいると胃の調子がいいから続けたい。味がしない錠剤があるなら続けたい。
胃の調子を気にしながら食事をするのはつらい。おいしい食事をするのが趣味。来週、北海道へ旅行に行く。友達と札幌のスープカレー屋さんめぐりをする計画を立てている。

このように会話「そのまま」の文では、読みにくいと感じるのではないでしょうか?

患者さんの「Problem」や、「A」につながる部分にスポットを当て、メリハリをつけて記録することが、読みやすく、かつ、内容のある薬歴につながるポイントになります。

緑色の薬(ガスターDのこと)(☆1)は、飲みにくいのでもう飲みたくない、と先生に伝えた。味が苦手なだけで、薬を飲んでいると胃の調子がいいので、味がしない錠剤があるなら続けたい。(☆2)
おいしい食事が趣味。来週、北海道へ旅行(札幌・スープカレー屋めぐり)を予定している。(☆3)

☆Point1 薬の名前や病名が思い出せないことは、病識や薬識の目安になるので、患者さんの言葉そのままを記録する方が良い。固有名詞などをカッコで補うと伝わりやすい。
☆Point2 副作用や体調変化、アドヒアランスの情報などは、しっかり記録をしていく。
☆Point3 世間話などProblemに直接関係のない話は、簡潔にまとめるなどの工夫を。

多くの情報を記録することも大切ですが、そのために重要な話が伝わりにくくなったり、言葉を並べただけで内容の薄い記録になったりしないように気をつけましょう。

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