薬歴を記録する3つの理由

私たち薬剤師が毎日、患者さんに薬を渡す際に記録している薬剤服用歴(薬歴)。 薬歴料加算のために仕方なく書いている、という方も少なくないかもしれません。 しかし、薬歴の記載には、薬歴料のためだけではない、大切な意味があるということにお気づきですか?

 

(1)患者の治療経過記録・申し送りとしての薬歴

1つ目は、普段多くの方が意識して記録をしている内容で問題ないと思います。 血圧や血糖値の推移がどうであったか、アドヒアランスが良いかどうか、副作用やアレルギーがなかったか、など投薬する際の参考となる記録や申し送りとして記録しましょう。

(2)調剤報酬算定の根拠としての薬歴

保険調剤は、健康保険法により「調剤報酬点数表」に従って、被保険者(患者さん)と保険者(国保・社保)に報酬を請求することになります。 調剤報酬点数表における「薬剤服用歴管理指導料」に示されている要件(服薬状況・体調変化の記録など)を満たすことで、薬歴料(手帳あり38点/手帳無し・忘れ50点)が算定できます。 また、「一包化加算」や「乳幼児服薬指導加算」など加算を算定する根拠となる事項(「手が不自由で直接被包からの取出困難のため、医師指示により一包化を実施」や、「幼児の体重:△kg→用量OK、お薬手帳に『粉薬はスポーツドリンクと混ぜると苦味が出るので、単独で服用させてください』と記載した」など)を記録しておくことが重要です。記録がない場合は「算定の根拠がない」と判断され、調剤報酬返還の対象となります。

 

(3)法的根拠としての薬歴

併用禁忌や疾病禁忌によって患者さんに健康被害が起きた場合、「併用薬や合併症で問題があり医師に疑義照会を行ったが、処方変更がなされなかった」という記録があるのか、ないのかで薬局や薬剤師の過失・責任が大きく変わります。 また、傾眠の副作用の注意喚起がなされている薬剤(例:プラミペキソール(商品名:ビ・シフロールなど)などのドパミン作動性パーキンソン病治療薬)を服用中の患者さんが居眠り運転を起こしてしまった場合、「傾眠が起きることがあるので、車の運転などを控えるよう指導した」という記録がないと、薬局・薬剤師が注意喚起義務違反に問われるケースがあります。調剤・服薬指導として必要な情報を過不足なく記録しましょう。

●薬歴を記録する3つの意味を意識しながら薬歴の記録を行いましょう!

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